海外留学は、若者がグローバルな競争力と自己実現を追求するための重要な手段と長年考えられてきました。しかし、最新の調査によると、その勢力図が静かに塗り替えられようとしています。アメリカの伝統的な優位性が薄れる一方で、イギリスとカナダが新世代の留学生にとって最も魅力的な目的地として浮上しています。

カナダの教育テクノロジー企業ApplyBoardが今秋発表した『世界の留学先魅力度レポート』によると、調査対象となった400人の国際招生専門家のうち、実に82%がイギリスを現在最も魅力的な留学先と考えており、首位を固めました。カナダが74%で僅差で続き、アメリカは3位(67%)に後退。以下、オーストラリア(66%)、ドイツ(60%)、アイルランド(50%)と続きます。
レポートは、イギリスが首位に返り咲いた主な要因として、その安定した教育システム、寛容なビザ政策、そして留学生への長期的なサポートを挙げています。EU離脱(ブレグジット)後、ビザ引き締めの懸念がありましたが、政府が導入した卒業後就労ビザ制度「Graduate Route」が、再び多くの海外学生を惹きつけています。
同時に、カナダは「開放性、安全性、友好度」の指標で際立った評価を得ており、84.3%でイギリス(86.9%)に次ぐ2位にランクインしました。『トロント・スター』紙の報道によると、カナダは最近の学生ビザ発給数の制限や卒業後就労許可の調整により一時的に評価を下げましたが、政策の修正後にその全体的な魅力は再び回復しています。ApplyBoardは公式予測に基づき、2025年にカナダで新規に発給される学生ビザの数は前年比で約50%減少するものの、同国は依然として「安全、開放的で、多様性を受け入れる」留学先の第一候補と見なされていると指摘しています。
これに対し、アメリカは「開放性、安全性、友好度」の評価で6カ国中最下位(わずか50%)でした。専門家は、これはアメリカの移民・ビザ政策における長期的な不確実性と密接に関連していると分析しています。トランプ政権時代以降、アメリカの政策は二転三転し、多くの留学生がより政策が安定し、学習環境が友好的なイギリスやカナダへと流れる原因となりました。
また、今回の調査では、学生が留学先を選ぶ際の主な要因が、学習コスト(91.4%)、卒業後の就職機会(87.8%)、生活費(76.7%)、在学中の就業機会(74.6%)、そして留学生に対するその国の友好度(48.6%)であることも明らかになりました。全体として、回答した招生専門家の47%が、国際教育に対する世界的な関心が高まっていると指摘しています。ApplyBoardのレポートは、留学生の海外教育に対する需要は継続的に増加しており、世界の高等教育市場が新たな成長の勢いを迎えていることを示していると結論付けています。



