ヨーロッパやアメリカに行くには費用が高すぎ、家で英語を学ぶのは退屈すぎる。上海、東京、ソウルを問わず、保護者の共通の不安は「子どもがどうすれば本当に英語を話せるようになるのか?」ということだ。近年、より多くの東アジアの家庭が東南アジアに注目している。マレーシア、フィリピン、シンガポールに代表される多文化都市が、英語教育と国際体験の人気の選択肢となりつつある。
だが、数千キロ離れた国に子どもを連れて行き英語を学ばせるのは、単なる「流行消費」なのか、それとも「世界的最適解」なのか。本稿では、複数の家庭事例と地域比較を組み合わせ、実行可能な判断フレームを提示する。

クアラルンプール22日間、“同温層”とのせめぎ合い
この夏、ワンゴさんは子どもを連れてクアラルンプールに22日間滞在し、3週間の英語学習を行った。
語学学校では、10数人のクラスで、母語は全員中国語だった。
彼女は友人とペトロナス・ツインタワー近くでアパートをシェアし、子どもが現地の食事に慣れなかったため、市場で食材を買い、自炊することが多かった。
ほぼ1か月の費用(学費、宿泊費、食費、往復航空券を含む)は、親子2人で約1.5万元。
「効果は結構ありました。授業では英語だけで、先生は文法や単語を英語の文脈で説明し、中国語訳を介さないので、純粋に英語の思考になります。先生は母語が英語の国出身者だけでなく、マレーシアやインド出身でも子どもの頃から英語ができる人でした。特にリスニングや会話力が早く伸びました。」とワンゴさんは語る。
東南アジアが“グローバルの最優先地”として注目される理由
東南アジアが中国、日本、韓国などの家庭にとって英語学習の「世界的最適解」となりつつある理由は、主に以下である。
アクセスと政策の友好性:中国主要都市から4〜6時間で直行便。例:マレーシアは2026年末まで中国人に30日間ビザ免除。短期留学・体験が容易。
実際の使用環境:フィリピンやマレーシアでは教育や公共サービスで英語が広く使われ、シンガポールは行政言語が英語であり、学校・職場も英語で運営されている。
費用持続性:欧米やオーストラリアの数万元単位の遊学と比べ、東南アジアは総合的にコストパフォーマンスが高い。例:マレーシアは家庭調査で月12,000〜20,000元程度。
東南アジア諸国比較:シンガポール、マレーシア、タイ、その他…どの国が最強コスパ?
東南アジアを選ぶ最大の理由はコストだ。欧米やオーストラリアの数十万元規模に比べ、東南アジアは圧倒的に安い。そして多くの地域で英語教育が成熟している。さらに、英語が公用語・共通語の国では「実際に使う場」が多い。
比較フレーム:
A. 言語没入度(授業と課外環境)
B. 教師・カリキュラムの成熟度
C. コストと利便性
D. 家族の適応度(治安、食事、文化、医療)
| 目的地 | A没入 | Bコース | Cコスト | Dファミリーに優しい | コアポートレート |
| フィリピン(セブなど) | ★★★★★(1対1+グループ、24時間365日英語) | ★★★★☆(受験・汎用・商英成熟) | ★★★★★(全体的に最もコストパフォーマンスが高い) | ★★★☆(都市とキャンパスを選ぶことが重要です) | 短期口語ブレークスルー、受験ダッシュ |
| マレーシア(クアラルンプール等) | ★★★☆(中国語の「同温圏」が出やすい) | ★★★★(外国人/地元教員の共存) | ★★★★(プロテスト1.2-2万/月) | ★★★★☆(ビザなし、時差ボックスなし、食事は自分で管理できます) | 親子友好、快適な生活とバランスのとれた生活 |
| シンガポール | ★★★★(学校内外の英語高密度) | ★★★★★(体系化、一流安定) | ★★(物価が高く、総コストが高い) | ★★★★★(治安、医療、ルールの安定) | 十分な予算、トップレベルの安定性の追求 |
| タイ | ★★★(国際化が高く、クラスメートが多様) | ★★★(学校は玉石混交) | ★★★★(費用はコントロール可能) | ★★★(地域差が大きい) | ソーシャル多様+旅行体験 |
| ベトナム | ★★☆(サマーキャンプ・子供を中心に) | ★★★(特定の学校・プログラム) | ★★★★(低コスト) | ★★★(ビザと適応の准備が必要) | キッズキャンプ、予算に敏感 |
| インドネシア | ★★(英語非公式) | ★★☆(プロジェクトは分散しています) | ★★★★(低コスト) | ★★★(休暇+学習シーン) | リゾートオーバーレイ体験型 |
各目的地の“本当の強み”と“潜在的コスト”
① フィリピン|「1対1集中+日常英語」— 最速で会話突破
② マレーシア|「生活快適+コスト良好」— 親子向けにバランス
③ シンガポール|「体系化と安定性」— 学術志向や安全重視の家庭向け
④ タイ|「国際的な社交環境」— 多文化交流だが選校力必須
⑤ ベトナム|「子ども向けキャンプ+低コスト」— 英語使用度は低め
⑥ インドネシア|「リゾート型+低コスト」— 体験寄り、没入度は低
結論:“唯一のベスト”はない、あるのは“あなたに合うベスト”だけ
「語学習得」と「持続可能な投資」を同時に重視するなら、東南アジアは代替品ではなく、コスパと効果を兼ね備えた現実的選択肢である。重要なのは「どこが一番」ではなく、家庭の目標・予算・子どもの性格と現地環境の一致だ。
この3点を揃えることこそ、本当の「世界的最適解」だ。




