(アジア財経インサイト記者 Kelly/東京 11月19日)
現地時間17日午前、日本の株式市場において、複数の旅行関連株が大きく下落しました。背景として、前日に中国の文化観光部が訪日旅行に関する注意喚起を発令し、中国の旅行者に対し、当面の間、日本への旅行を控えるよう促したことがあります。また、同日に教育部が留学に関する警報を発令し、中国国民に赴日留学計画について慎重になるよう促しました。

これらの影響により、旅行関連株は市場や時間帯を問わず、軒並み下落する事態となりました。
アメリカの消費者ニュース専門チャンネルCNBCの報道によると、中国人消費者への依存度が高い日本の化粧品大手資生堂の株価が11%下落したほか、三越伊勢丹百貨店の持ち株会社である三越伊勢丹ホールディングスの株価も10%超下落しました。また、東京ディズニーリゾートの運営会社であるオリエンタルランドの株価は4.74%安、日本の航空大手ANAホールディングスの株価は3.48%安となりました。その他に、鉄道、小売り、ホテル運営を手がける阪急阪神ホールディングスの株価も2%超下落しました。
日本政府観光局の速報データによると、2024年に日本を訪れた外国人旅行者のうち、5分の1近くにあたる約700万人が中国からの訪問者でした。日本のメディアは、訪日中国人旅行者の数が非常に多いため、日本の観光業は重大な影響を被る恐れがあると分析しました。
これに加え、複数の国際的な旅行関連株も同時に下落しました。2025年11月18日にGoogle(グーグル)がAI(人工知能)を活用した旅行プランニングツールを発表した後、エクスペディア(Expedia)やブッキング・ホールディングス(Booking Holdings)などの国際的な旅行関連企業の株価が軒並み5%近く下落しました。
一方、一部の中国国内の旅行関連企業も、財務上の問題などが原因で株価が下落しました。例えば、「ST張股」は、再編延期や巨額の減損損失計上、格付けの引き下げなどにより、11月18日にストップ安となり、純資産の継続的な減少により上場廃止リスクが懸念されています。「祥源文旅」は、財務費用の急増、ブランド価値の目減り、情報開示格付けの引き下げなどの影響を受け、11月17日にストップ安となりました。
旅行関連株の下落は、複数の要因が重なり合った結果であり、業界内の競争、コスト管理、外部環境の変化に注意を払う必要があります。また、市場の変動は往々にして調整の機会を伴います。中国は現在、観光強国の建設を推進しており、免税政策の導入やインバウンド旅行の利便性向上といった施策を通じて消費を刺激しています。また、タイなどの国々も販促活動によって外国人旅行者を集めていますが、短期間の市場変動は依然として地政学的な要因や企業の基礎的条件の影響を受け続けるでしょう。




