(アジア財経インサイト記者九日東京11月22日報道)
11月21日、「アニメーションはボーダレス・知恵で未来を描く」と題したアニメ・漫画制作交流ウィークが、吉林動画学院にて開幕しました。中国、フィンランド、イタリア、ハンガリーなど世界13カ国から集まったアニメ・漫画業界の専門家や研究者らが、デジタル時代におけるアニメーション芸術の発展の方向性について議論を交わすとともに、AIGC(AI生成コンテンツ)技術が牽引する産業変革について活発な意見交換を行いました。

開会式で、吉林省党委員会宣伝部の張志偉(ジャン・ジーウェイ)副部長は、吉林省のアニメ・漫画産業が近年急速に発展し、ブランド影響力を高めていると述べました。同氏は、今回の交流ウィークが創作意欲をさらに刺激し、地域ひいては全国のアニメ・漫画産業における異分野融合と質の高い発展を促進する役割を果たすとの見解を示しました。
吉林動画学院の鄭立国董事長(理事長)は開会挨拶で、今日は人工知能技術によってアニメ・漫画産業の構図を再構築する重要な転換点にあると述べました。アニメ・漫画制作の境界は絶えず広がり、芸術表現は継続的に革新され、産業のエコシステムは再構築を加速している。学院は、アニメ・漫画教育を技能伝授からイノベーション能力の育成への転換、伝統的な専門分野から学際的な領域への拡大、キャンパスでの育成から産業の実践への延伸へと推進することに常に尽力してきた。将来に向けて、学院は産学連携、科学技術と芸術の融合をさらに深め、アニメ・漫画教育の革新と発展を推進したいとしています。また、同氏は国際アニメーション協会や各国の大学、企業と連携を深め、アニメ・漫画教育のイノベーションプラットフォーム、科学技術イノベーションセンターを共同で構築し、文化産業の協調メカニズムを確立したいと述べ、そして、同学院の双陽産学連携キャンパスを基盤に、「教育+テクノロジー+起業+研究+文化観光」を組み合わせた新たなランドマークを創出し、世界の才能に対し、芸術創作の広大な舞台とイノベーション・起業のための開かれたプラットフォームを提供したいと語りました。
生成AI(ジェネレーティブAI)や大規模言語モデル(LLM)などの技術がアニメーション制作のあらゆる側面に浸透するにつれて、従来の制作手法は深い変革期を迎えています。同時に、これは業界内で芸術の独創性、クリエイターの役割、および業界の倫理についての議論を呼び起こしています。国際アニメーション協会理事会メンバー・副会長の李中秋(リー・ジョンチウ)氏は取材に対し、中国のアニメーションが近年顕著な国際的飛躍を遂げているのは、多くのメガヒット作が生まれていることだけでなく、アニメーションの基礎技術が多岐にわたる産業での応用に生かされている点にあると述べました。同氏が指摘するには、人工知能(AI)であれ、バーチャルシーン構築であれ、あるいはヒューマノイドロボット(人型ロボット)の開発といった分野であれ、その背後にある運動の法則や自然な形態の理解は、すべてアニメーション学の根底にある論理(ボトムロジック)に深く根ざしているとのこと。
交流ウィーク期間中に、第8回「雪狼杯」アニメ・漫画作品コンテストおよび優秀作品の上映会、2回の学術シンポジウム、3回のテーマ別座談会が開催されます。「雪狼杯」コンテストでは、国際アニメーション協会の複数の支部会長や著名な学者、プロデューサーが審査員団を結成し、新たな才能の発掘を目指しています。学術セッションでは、AIGCがもたらす産業変革に焦点を当て、生成AIと大規模言語モデルがアニメーションの制作フロー、創作思考、および教育システムに与える深遠な影響について深く議論されます。
「AI駆動下のアニメーション産業生態系の変革」と題されたシンポジウムでは、ポルトガル美術研究センター研究員エリアン・ゴディヴ氏が、21世紀に入ってから、アニメーション制作のロジック、ワークフロー、そして文化的認識が根本的に変化したと指摘しました。同氏は、AIは人間を置き換えるのではなく、「協働参加者」としてクリエイターと協力し、ダイナミックで多様性に富んだ、時空を超えたアニメーションの新しいエコシステムを共に構築していくべきとの見解を示しました。
同期に開催された「コンテスト主導型のアニメーションイノベーション実践」と題するシンポジウムは、アニメーション制作と産業発展の対話の次元をさらに広げました。なお、当交流ウィークは11月22日まで開催される予定です。




