吉林・香港・マカオの経済貿易協力が深化:吉林ブランド「吉字号」の特産品、香港を足掛かりに海外展開を加速
香港のプラットフォームで大湾区と国際市場を結び、高麗人参産業をブランド化。若年層向け展開し、高付加価値加工への転換を加速
(ロヤ、林凱・香港報道)
第2回吉林・香港・マカオ経済貿易交流会ならびに、「吉字号」特産品のPRイベントが香港で開催された。「吉字号」には高麗人参、鹿茸、松の実などがある。期間中、吉林省商務庁と香港貿易発展局は「協力覚書」を締結したほか、吉林・香港・マカオ企業交流会も開催し、三地域による産業の相互補完、資本連携、市場共有、販売チャネルの開拓などの分野での協力深化を推進した。
今回のPRイベントでは、長白山の高麗人参、梅花鹿の鹿茸(ろくじょう)、朝鮮五葉松の実など吉林省の特色ある商品が紹介された。それと同時に、吉林企業が香港の国際的なプラットフォームを活用し、単なる商品展示から、ブランド構築、販売チャネルの確立、海外市場の開拓へと取り組みの重点を移そうとしていることも浮き彫りとなった。

香港、吉林特産品の海外進出の足掛かりに
吉林省海外聯誼会の邱江会長は、吉林省では現在、質の高い「吉字号」商品を吉林省外へ展開し、粤港澳大湾区に進出させる取り組みを積極的に進めていると説明した。より多くの香港・マカオの消費者に吉林の産品を知ってもらい、互恵・ウィンウィンの協力余地をさらに広げたい考えだ。
邱氏は、長白山が育む希少な産品は吉林・香港・マカオ協力の重要な出発点であり、開放と協力は長期にわたる約束でもあると述べた。吉林省は、本土を後ろ盾としながら世界とつながる香港の地理的優位性と国際的なプラットフォームを活用し、農産・特産品貿易、スマート設備製造、越境物流、専門サービスなどの分野で実務協力をさらに深化させたいとしている。
香港特別行政区政府の陳国基政務司司長は、吉林省は恵まれた生態資源を有しており、その特色ある商品は香港市場で人気を集めているだけでなく、国際市場に進出する潜在力も備えていると述べた。香港には成熟した金融システム、国際水準の専門サービス、比較的整備された法治・認証制度があり、吉林企業による海外市場開拓を支援できると述べた。
香港から吉林への累計投資額、91億米ドル超
香港は吉林省にとって最大の外資供給地の一つとなっている。データによると、2025年時点で香港から吉林省への累計投資額は91億米ドルを超え、現在吉林省投資を続けている香港企業は388社に上る。
2025年末時点では、吉林企業が香港で届け出を出して設立した海外投資企業は46社で、非金融分野の対外直接投資額は約7億2,000万米ドルとなった。分野は主にビジネスサービス、卸売・小売、ソフトウエア・情報技術サービスなどに及ぶ。
貿易面では、2025年の吉林省と香港の輸出入総額は2億7,200万元で、前年比3.3%増となった。主な輸出品は集積回路、半導体、でんぷん、冷凍牛肉などである。2026年上半期の吉林省と香港の輸出入総額は2億6,600万元に達し、主な輸出品はスマートフォン、集積回路、乗用車、冷凍牛肉だった。
吉林企業、香港のEC販売チャネルを開拓

これまで商品展示を重視していたのに対し、複数回にわたり香港の展示会へ出展している吉林企業の多くは、協力の重点を販売チャネルの拡大と実際の販売へと移し始めている。
皓月集団の王巍澤副総裁によると、同社は昨年、主にチルド牛肉と独自ブランド「沃金和牛」を展示していたが、今年はスナック食品や調理済み食品などの高付加価値加工品を追加し、ブランド認知度をさらに高めたいとの考えだ。
現在、皓月傘下の商品はすでに香港のECやテレビショッピングの販売チャネルに進出している。今後は香港の中・高級飲食市場を開拓し、さらに香港を足掛かりに粤港澳大湾区や東南アジア市場へ展開する計画だ。
統泰実業集団は複数の黒参製品を出展し、香港廠商聯合会と販売チャネルや市場参入について協議した。香港側は企業に対して現地の法規、包装、表示ラベルに関する要件を説明し、既存の包装に香港基準に適合したラベルを追加することで、比較的低コストで香港市場に参入できると提案した。双方はすでに初歩的な協力意向に達している。
香港の認証制度、吉林商品の海外進出を後押し
PRイベントでは、香港の代理店関係者Joanna氏と吉林拓華生物科技有限公司が、高麗人参スキンケア商品の代理販売について正式に合意した。
Joanna氏によると、以前ライブ配信プラットフォームで同社の高麗人参スキンケア商品を知り、試用後、自ら企業側に連絡を取ったという。今回のPRイベントが双方にとって初めての対面となり、最終的に代理販売で合意した。
イベント期間中、関連商品は香港の消費者から関心を集め、一部の商品は展示開始からほどなくして数千香港ドルの売り上げを記録した。Joanna氏は、香港の商品認証基準は比較的厳格であるため、吉林の商品がまず香港市場に進出して認められることは、その後、その他の海外市場に進出する際の信頼性向上につながると表した。
吉林拓華生物科技有限公司の王曉平海外総監は、香港の貿易プラットフォームと認証制度を活用し、商品の国際競争力を高めたいと述べた。

高麗人参産業、高付加価値加工とブランド化へ転換
今回のPRイベントからは、吉林省の高麗人参産業が、従来の滋養・健康食品から、日常の食生活による健康維持、職場での健康管理、家庭でのヘルスケア、美容・スキンケアなど、多様な消費シーンへと広がりつつあることも分かる。
「吉字号」特産品推進タスクフォースのリーダーを務める陳耀輝氏は、長白山の野山参と呼ばれる野生の高麗人参は、15年以上にわたり自然環境の中で成長し、さらに長期間の自然蓄積によって独自の商品優位性が形成されてきた。これが吉林産高麗人参と他産地の商品を区別する重要な競争力になっていると説明した。
陳氏は関連調査データを引用し、世界的に「サブヘルス」状態の人が多く、高麗人参の消費シーンも変化していると指摘した。若い消費者層を取り込むためには、吉林の高麗人参企業が商品の形態、パッケージデザイン、利用方法などの面で継続的に革新する必要があると述べた。
一部の吉林企業では、高麗人参商品のブランド化や高付加価値加工への取り組みがすでに始まっている。高級高麗人参ブランド「鄭緑堂」の創業者、鄭偉寧氏は今回、「小罐参」を含むシリーズ商品を出展。即溶技術と携帯しやすい包装を組み合わせ、従来型高麗人参商品の利用ハードルを下げることを目指している。
鄭氏は、ブランドの中核的な方向性について、高麗人参を一次農産品から、ブランド化・国際化・若年層向けの消費財へと高度化させることだと説明した。香港は単なる消費市場ではなく、吉林産高麗人参が大湾区や国際市場とつながるための重要なルートでもあるとしている。
高付加価値加工品、香港でより高い価格プレミアム
輸出データからも、香港市場が高付加価値加工やブランド化された高麗人参商品を受け入れていることが読み取れる。
2025年、吉林産高麗人参の香港向け輸出平均単価は1キログラム当たり84.95米ドルで、吉林省全体の高麗人参平均輸出単価の約2.37倍となった。これは、香港市場では高付加価値加工が施され、明確なブランドポジショニングと高い付加価値を備えた高麗人参商品が、より高く評価されていることを意味する。
複数の出展企業は、香港・マカオ市場における吉林の特色ある農産品への需要が拡大していると指摘した。吉林企業にとって香港の価値は、商品の販売だけにとどまらない。認証、ブランド展示、専門サービス、国際販売チャネルといった面でも重要な役割を果たしている。
長白山の高麗人参、梅花鹿の鹿茸から牛肉、スキンケア商品に至るまで、「吉字号」特産品は徐々に、単なる原材料の輸出から自社ブランド価値の発信・海外展開へと転換しつつある。大湾区と世界市場を結ぶ香港の機能を活用することで、吉林の特色ある産業は今後さらに商品の付加価値を高め、国際的な認知度を備えたブランド体系を構築していくことが期待される。



